●2005年10月17日の旅●
この旅の前日は地元の祭りでした。 そこの出店で買った東京ケーキを今日のお供に。
季節はすっかり秋です。行楽シーズンですね。長距離ドライブにはちょうどいい気候じゃないでしょうか。とかいいながら、この地球温暖化の近年、10月だというのに真夏日だ異常気象だと騒がれておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。そして江口は3回目の遍路巡礼です。
本日の旅はリベンジの旅。
なぜか。前回予定通りにいかなかったから。以上。
なので今回はさくさく行きましょう。ちゃんとロードマップも買ったよ。今回は16番からスタート。 前日のお約束は守ってますか? 夜更かししない・酒を飲まない・仕事をため込まない。もうここで繰り返すのもイヤになってきましたが。はい、またしても何一つ守っていません。しかも江口は祭りで実家に帰っていたのでぐったりだ。その上内職まで始めてどうしたことか。 当日。7時半に這うように起きてお弁当制作。昨日の実家帰り、ぐったりした頭でスーパーマーケットに寄ったところで献立が何一つ作れず、サンドウィッチに逃げました。何とでも言って下さい。しかも感覚が鈍っていつもの1.5倍の量を作ってしまった気がする。ちなみに中の具はたまごマヨとメンチカツ。野菜とかビタミンとか、そんな概念は江口に存在しません。 9時。予定通り友人を迎えに行きます。 寝てました。 布団に入ってぐーぐー寝てました。 なので本日の同行者の呼び名は『ねぼすけさん』に決定。 で、出発はやっぱり9時30分に。こうなったらいっそのこと、最初から9時半待ち合わせでもいいんじゃないか。いや。そうなったら10時出発になるな間違いなく。
途中コンビニに寄り、ねぼすけさんの金でリポビタンDを買う。コンビニのゴミ箱の前で、腰に手を当てて一気飲みして気合いを入れるのが出発前の儀式だ。 助手席でおにぎりモーニングを摂取しているねぼすけを連れて、我らの旅は始まりです。
ルートの説明を致しましょう。ほぼ前回と同じ、国道32号線から192号線に乗り換え、ひたすら徳島市方面をめざす。 そして本日のおべんとつかいポイントは、前回見つけて気になっていた川島城に決定。上桜公園よりちょっと手前なので、早めのお昼ご飯です。さっき誰かはおにぎり喰ってたけどな。
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川島城(川島公園)情報。 192号線沿いにあります。徳島に向かって走ってると、左手にでかい看板があるのですぐ分かります。その前から城そのものが見えるんだけどね。 公園なので城を中心に、遊歩道・テニスコート・植物園・神社・レストハウスとかなんかたくさんあります(まっぷる調べ)。 でも月曜日はやってないんだって。寂しいもんさ。人っ子ひとりいないでやんの。しかし、城周辺の荒れ方を見ると、休みだからいないのか、元から人がいないのかは不明。 城の裏側、テニスコートのあるところにベンチがあったので、そこでゴハン。日陰も何もなく、このいい天気に溶けそうでした。 遊歩道のほうに進めば、もうちょっと見所があるのかと期待して、うろうろしたら、ちょうど神社で自動車のお払いみたいなのをやっていたり、トラックのおっちゃんたちが駐車した車の中でおべんとう食べていたりして、なかなかに江口達は場違い。 まあ、江口は急ぐ旅人。のんびりしている間もなく。今は丁度正午。出発しましょう。休みじゃなけりゃ、城の中見たかったんだけどな。 |
旅路は順調です。最初の札所は観音寺。いつもの週刊遍路を見ると、192号沿いのようです。寺特有の、あの茂る杜、赤い屋根、そういったものがさっきの川島城程度にはすぐ見えると期待します。ローソンのある交差点のところで、たぶんそろそろだよなあと喋ってました。と、見覚えのある標識がついに見えました。
『17番霊場 井戸寺』
16番はどこよ!?
●第十六番札所 光耀山 観音寺(こうようざん かんおんじ)●
案内標識無かったよ。いや、かなり注意して走ってたもん。気付かなかったんじゃないと思うさ。まあそれをここでぐちゃぐちゃ言ってもしょうがない。 仕方ないので少し言った先のパチンコ屋でUターンして戻る。反対側から来たら、案内標識ちゃんとあった。いや、だからさ。無かったって、絶対。えー? 江口が見落としたん? 江口が悪いん? そりゃね、15番から進んでいたときは標識見つけたよ。そっちから来てたらスムーズに行けたんだろうけど、前回はタイムアップだったんだからしょうがないじゃん。イキナリ16番からスタートしたのが敗因? 釈然としないまま信号を曲がり、細い道に入ります。住宅街の真ん中です。前方に、緑の多い空間が見えます。あれ、そうだろう。
神社じゃん。
しかもわしら、気付かずにそれを寺だと思ってぐるっと1周しちゃったよ。違うじゃん。神社って書いてるじゃん。恥ずかしいなあ、もう。 わしらが観音寺だと思っていたのは大御和神社。鳥居の近くに観音寺行きの案内が立っていて、神社に沿うように細道をさらに奥に入ります。 ようやっと、目的地に到着しました。が。
工事中でやんの。 ぐるっと板で囲まれていて、風流もへったくれもない工事中看板。本来の駐車場も閉められていて、すぐ隣の臨時駐車場へ。本堂が工事中なので大師堂が仮本堂です、とな。いやまあ、仕方ない、仕方ないのは重々承知してるよ。でも誰がどんな権限があって大師堂に本堂の代わりをさせることができるというのだ。などと怒っているが、別に江口はまったく気にしておらず。観光客だからな。しかし、本気遍路にとっては、とてもがっかりだろう。 何故か今日は、本気遍路にたくさん遭遇。ぽかぽか良い陽気だったからか。工事現場のおっちゃんたちも気持ちが良かったのか、トラックの中で無防備な姿でお休みになってらっしゃるのを発見。 わしらも次へ進みましょう。
●第十七番札所 瑠璃山 井戸寺(るりざん いどじ)●
井戸寺だからな。
元来た道を戻り、192号へ出る。さきほど見つけた標識に従って、県道29号に入る。あとはまた地元保存会の行き届いた看板に従って進む。 今日、我々の学習したこと。『考えたら迷う』。道をどうしよう、あっちがいいかこっちがいいか考えたらたいてい迷っている。考えるな。先人の残した案内標識に従え。"DON'T think, Feel!"だ。大文字は強調。
井戸寺発見。裏手に大きな駐車場があるのでそこに停めます。
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まったくインネンでしかないのだが、こおゆうこぎれいな看板が『○○クリニック』とかの看板っぽいなあ、寺じゃないだろうココとかずっと思った。 | 駐車場から、墓地を通れば敷地に入れるのだが、やっぱり遍路人としては山門から入るべきでしょう。塀に沿って進み、正面へ。 街中の寺、普通にきれいで広い寺です。あまり感慨のないまま進んでいましたが、上写真の井戸にくると、そこの水(なんの御利益かは不明)をつい買いたくなったり。水といっても井戸からくみ上げるのではなく、奥に水道が昇ってます。「便利」ととるか「興ざめ」ととるかはご自由に。値段はいくらだったか忘れた。まあ数百円のもんでしょう。
御朱印をいただいて、今度は墓の方から駐車場へ。と、大きな鐘突台がある。さらに良く見ると鉄骨で補強がなされて天井に蜂の巣らしきものが。年月とはそのようなものです。
ちょっぴり気になったのが、本堂・大師堂の銅鑼つく綱(なんて名前だ)に付いてたはりつけ祈願人形。 「こういうのを面白がるな」とねぼすけに怒られる。不謹慎ですからね。 しかし、いろんなところでいろんな形態で祈願がなされる。千羽鶴ひとつとってもそのカラーリングにセンスを問われるのだった。 |
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それでは次の札所です。18番恩山寺。ちょっと遠いですよ。気合い入れていきましょう。 ところで困った。ここから次の寺までの標識が記されていない。たぶん山門正面その付近ならあるんだろうが、このクリニック的きれいな駐車場ではどの道を進めばいいのやら。一番確実なのは元の道を戻ることだろうが、駐車場看板の向こうは車もびゅんびゅん通る大通り。さくら書店が見えます、そこが県道30号です。 30号へ出ましょう。そこをしばらく進み、川を越せば、『右折・192号』の標識が出るのでそこから元の道に戻りました。 元の位置まで戻って、さあ仕切り直し。週刊遍路を見ます。
だからわかりにくいよ、この地図。
歩き遍路には便利かもしれない。でも何度もいうが、わしらはにわか車遍路。というか、ドライブ観光客。 192号をそのまま県庁方面へ向かって走り、国道55号に乗り換えて、まっすぐ行くことにしました。
ところでえぐぴょん。自動車運転歴7年。ガードレールのない山道をすいすい走るテクニックまで身につけておりますが。 徳島市内のような大きなお町を走る腕はございません。 いやー。怖いなこの道。車線が多いだけでドキドキだ。複数車線のところって、どこでどちら側が減幅されるのか分からないから怖い。口数も少なくなりながら走ります。 でも思ったより走り易い。なぜか。 ここは香川県じゃないから。 香川県ってね、日本一ドライバーマナーが悪いんだよ。 そこをクリアしているえぐぴょん。鬼に金棒だー。 はい、調子こかないで安全運転で行きます。
●第十八番札所 母養山 恩山寺(ぼようざん おんざんじ)●
小坊ーーーーーーー!!!!
けっこう走りますよ。徳島市を抜けますからね。55号をどんどんまっすぐ走ります。気が付けば交通量も減り、町の繁華さが無くなってきました。 そこで『右折・恩山寺』の標識発見。曲がります。 とたんに田舎道に。 気付かぬ間に郊外に出ておりました我々。賑やかな55号を離れて、さみしく恩山寺へ向かいます。
それほど離れてはおりません。しかし、すこし高いところに登ります。車をぐるりと回して、駐車スペースへ。舗装された道が上に登っているので、あとは人力で歩きます。そんなに歩かない、ちょっとした斜面登るだけ。 そうすればそこは恩山寺。女人禁制の恩山寺。
まーここが。江口だいすきな山寺。4番大日寺のような静かなのどかな山寺。県庁周辺のにぎわいエリアから、いうほども離れていないのにな。陽も傾いて人がいなかったというのもあろうが、ともかく素敵なお寺です。 しかし、ステキなのはここだけじゃなく。
ステキその1.力を求める鐘 |
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鳴らすのにとても力が要ります。 |
ステキその2.歴史的たたずまいの案内板 |
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酸化鉄の風合いがよい景色を醸しております。 |
ステキその3.自由な空間、自然公園 |
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あまりに自由すぎてパンストが脱ぎ捨てられていました。 |
&冒頭の、わんぱく小坊とかね。 山の上の方に行けばもっといろいろあるんでしょうが。今日はここまでにしておきましょう、まだ先があるんでな。あと、上まで登る体力もないしな。 と、へなちょこ三十路と三十路目前コンビが駐車場に戻ると、近所の高校の野球部らしき連中がランニングしてきて、また別のルートの山道を登っていった。
●第十九番札所 橋池山 立江寺(きょうちざん たつえじ)●
鳩。 こんなもんしか被写体が無かったのかと聞かれても何も答えられない。
名残惜しくもありますが。我々は先に進まなければなりません。 来た道を若干戻り、次の指示に従います。右折をしてまっすぐ行けば、次は立江寺。さっきは山、今度は平地。住宅街や商店街、田んぼの真ん中をどんどん走ります。郵便局のある交差点にちかづき、右前方に毒々しい真っ赤な欄干が見えます。そこをスルーして、開けた地平線の見える大地をすすみましょう。 まもなく、『立江寺駐車場』と辛うじて読める、錆びて色あせた看板が左側に見えます。うっかりすると見落としそうなほど、ひっそりと立っています。
そこにあったのは、有料駐車場の、あの黄色いバー。
いやあああああ。
ここでのねぼすけナビが英断をかましましてね。 地図を片手に、「無料駐車場があるはずだ」と。 バーを通り過ぎるとすぐに『阿部歯科医院 立江寺前』の看板が見えたので、それを信じて左折。込み入った路地に入ります。
立江寺無料駐車場発見ーー。
すぐ隣がJR立江駅。駐車場と言っても、6台詰め詰めで停めるような、単なる空きスペース。しかも半分が工事中のトラックで埋まっていた。 なんとかそこに停める。停めながら、どこかでおばちゃんが見張っていて料金を請求しにくるのではないかとハラハラ。なんか感じが金比羅宮土産物売り場併設の駐車場に似ていたもんで。 そこに停めて降りる。ああ、阿部歯科が確かに立江寺前に。 肝心の立江寺ですが、やはり場所が場所だけに、どうもご近所の孫連ればあさんの姿などをみつける。手頃な散歩コースなんだろうな。ベンチのような休憩設備の整い方からもそう思う。
狭くて特におもしろイベントも発生せず。次の鶴林寺を目指す。遍路ころがしのスタートです。
ちなみに、あとでここの駐車料金を調べたら。¥500だった。ねぼすけナビ、偉い。
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