●亀の井別荘●
http://www.kamenoi-bessou.jp/
湯布院といえば亀の井。
亀の井といえば湯布院。
江口は今、亀の井別荘にいます。
ご存知、湯布院三大旅館のひとつです。亀の井別荘・玉の湯・無量塔の3つは必ずガイドブックに載り、テレビ東京でも毎週どこかが紹介されています。湯布院へ旅行に行こうとする者なら常識として知っている、それが三大旅館。ちなみに西村京太郎サスペンスでは玉の湯が出てきます。
その亀の井に江口は来ています。
土産物屋『鍵屋』を利用しにね。
はい、亀の井の包装紙が欲しかっただけです。ちょっと見栄を張りたかっただけです。
こんな江口をこれからもよろしく。
●ペンション 由布の杜●
セルフタイマーで撮影して初めて気づいた、背後のナニ加減。
鍵屋で買い物を終えると、夕方4時。ちょうどいい時間です、散策をしながら今晩のお宿に向かいましょう。
今晩のお宿は『ペンション 由布の杜』。
1泊目は贅沢をしたので2泊目はチープなところを選びました。
場所は知りません、地図があるにはあるが、周囲に目印となるものがありません。わずかな手がかりをを頼りに歩いていきます。
‥‥山の中でした。
土産物街を横断し、国道の信号を渡ってみると、そこはもう山でした。人っ子ひとり歩いていません。でも先に宿はいくつかあるのでしょう、タクシーに乗った観光客がまれに追い越して行きます。とても怪訝そうな顔で、一人で歩いている江口を見ています。
江口の進んでいる道は合っているのでしょうか?
江口は、今晩のお宿にたどり着けるのでしょうか?
初秋の日暮れ、天気は薄曇。そろそろ肌寒さを感じるであろう時に江口は汗だくで山を登りました。
15分も歩いたころに、ようやく見えたそこがペンション由布の杜。
‥‥古ッ!!
「情緒ある」とか「歴史を感じさせる」とかじゃない、築年数がとにかく経過した古い作りのペンションだーー!!
世話になったところだからハッキリいうのははばかられるが、一言で表すなら最初の一文字が『ボ』だよ!!
えっとね、昭和の合宿所みたい。ユースホステルとか? 定義知らないけど、とにかくたくさんの人に使い込まれた感がみっちりだーー!!
念のために言っておきますが、江口は喜んでいます。
オイシい宿に来たなあと思っています。
てゆうかネットで調べた時点でこの雰囲気が分かったのでこの宿に決定したんだけどね!
さて、チェックイン。
中はハイカラな作りです。
出てきたのは爺ちゃんでした。たぶんオーナーです。
今朝に駅で預けていた荷物も、無事に届いているとのこと。
しかし、やけに静かです。他に泊り客は無いのでしょうか?
ありません!
江口、一人だけです!!
サイコーー!!
夕食前に早速お風呂に入ります。ここでも5回入浴です。いきなり客室の鍵が閉まらなくてオーナーを呼び出したりしています。
一人なので、男湯でも女湯でも好きなほうを使ってくれてかまわないと言われました。よっぽど使おうかと思ったが、お風呂マットやらなにやらを一人で汚しまくるのが申し訳なくて止めておいた。
ここのお風呂は、いかにも温泉といった、効能でひとウンチク語れそうな色をしています。周りには湯の花がこびりついていて、なんとなくぬるぬるします。泉質によるものだと信じます。
お風呂から出て一息つこうと、ラウンジに行ってみました。わしのための夕食を作ってくれているというのにコーヒーをねだって邪魔をしてしまいました。すまん。
コーヒーを飲みながら、カーテンで仕切られた向こうの調理場の様子を伺います。料理を作っているのは爺ちゃんでした。この姿を見て、ああ、このペンションは爺ちゃんの趣味で始めたんだということに決定。たぶん婆ちゃんの反対を押し切ってはじめたんだ、と。
そんな好き勝手な推測をしながら、さて、夕食。
ペンションだというから、てっきり爺ちゃんたちも一緒に卓について、ギターで『若者たち』を弾いてくれたりするのかと思っていたが、江口一人だけでゴハンです。
ここは写真の、ローストビーフが名物料理であるそうな。そのままでもいいけど、ゆず胡椒をつけていただきます。
ああ、建物はボ●でも、料理は普通においしいよう。料亭料理ではないけれど、いかにもペンションな、爺ちゃんの腕自慢の料理が満載でした。このほかにも刺身と、小鉢がいくつかと、まるごとトマトのサラダ。そうめん瓜の吸い物もつきました。お品書きが無いので詳しく紹介は出来ませんが、どれもおいしゅうございます。ご飯はセルフ。
今気づいたけど、ドリンクが無かったな。
何も思わず健全な夜を過ごしてしまったが、ビールってあったんだろうか。
ごちそうさまでした。
あとは誰とも語らうことなく、せっかくの暖炉に火も入れず、部屋にこもってテレビでも見て過ごすことにします。
しかし、それにしてもあまりにもヒマだ。何か無いかと、勝手に館内を散策した結果。
2階談話スペースに漫画本がいくつかあったのを発見。
たぶん、爺ちゃんの息子か孫あたりが持っていたのを持ち込んだか、それまでの泊り客が置いていったのを並べているのだろう、何ら一貫性の無い、巻数もばらばらの、カバーも無い漫画がテキトーに詰まれています。
しまった! 『Dr.スランプ』が揃ってるじゃないか!!
部屋に持ち込むわし。
あとは一晩かけて読破大会です。有意義な旅のひととき。
ペンギン村グランプリも優勝したことですし、そろそろ寝ようかと思ったが、どうにも目が冴えていけない。なんかテキトーなテレビでも見て過ごしましょう、ともう一度起き上がる。
テレビがつかないよ?
さて、困った。何度電源入れてもつかない。寝ようにも寝付けない。手ごろな本は読み尽くした。
ヒマじゃん。
時計を見る。まだ0時前。わしにとっては宵の口だが、年寄りにはどうだろう。もうお寝むなのかしらん。
悩んだ挙句、呼びつける。爺ちゃん、寝巻きで入ってきた。ごめん。
そして爺ちゃんがとった手段は。
叩く。
ああ、叩いて直るテレビを見るなんて初めてだよ!!!
これが今日一番の感動でした。
●由布院美術館●
http://www.coara.or.jp/~yufuin/
開館前に到着するわし。
おはようございます。3日目の湯布院です。
朝ごはんのおからにニラが入っていたのは勘弁でした。
最後の風呂にも入り、荷物を駅に送ってもらおうかと手続きをしていたら。
爺ちゃん、駅までわしを送るから、そのついでに駅のコインロッカーを使ったほうが安い、と教えてくれる。そりゃもう、お言葉に甘えて。
甘えすぎた江口は荷物を預けた後も、今日の目的地まで送ってもらうことに。
たった一人の客に対して、何から何までありがとうございます。
というわけで朝一番に江口が訪れたのは、由布院美術館。
朝一番すぎて開館前でした。ちなみに10時開館。
江口以外にも、女の子3人組がいたので、暇をもてあました我々はお互いに写真を撮り合っていました(タイミング的にこの後、ずっと館内を一緒に進むことになり、先々でお互いのカメラを交換してました。決して語り合ったりはしなかったんですけどね。ふれあわない旅)。
しばらくして開館。美術館なのに館内撮影はいくらでもOKだそうです。なので撮ります。
ネコちゃん用のエサ皿とかね。
尚、このエサ皿は、本当にネコのエサ用なのか、展示物なのかは不明。
「まさか」と思われそうな発言をしましたが、本当です。
ぶっちゃけ、ここは美術館じゃないですわ、雰囲気は雑貨屋。奥にカフェがあるしね(このカフェで例のPロール販売中)。
椅子も、展示物なのか休憩用ベンチなのか。畳の部屋は座って寛いでもいいのか。足湯はそれはどっかの学校の卒業制作なのか。
建物の作りも円形で、丸く芝生の中庭がある。いますぐピクニックをしてください、といわんばかりに。
えっとね、若い女性に人気のスポット、ってカンジー。
褒めてないだろ、江口。
改めて、この3日間の湯布院を思い返してみます。
若い女性向けの観光地、ということでした。
一連のスポット、旅館の作り、全体の雰囲気。
どれもこれも、若い女性に喜ばれそうな構造です。
町全体が若い。健全で明るく、おしゃれな街です。
悪く言えば、歴史的風情が無い。
もちろん、それが湯布院という観光地のコンセプトで、それにのっとって街全体が湯布院を『ゆふいんブランド』に作り上げている、それは素晴らしいことだと思うし、見事な成功例だと思う。テーマがあって、そのテーマを裏切らない。そりゃ湯布院が人気でるのも分かります。物足りなさを感じるのは、好みの問題ってだけの話です。
と言ってますが、帰ったあとで由布岳と金鱗湖を見ていないことに気づきました。数少ない風情スポットだというのに。
金鱗湖なんて、亀の井別荘まで行ってるのにな。あと5メートルじゃん。
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