●2007年4月9〜11日の旅●
青空と屋根瓦。
おはようございます午前7時。
ほんの5時間前まで、第13回えぐちず2・湯布院温泉編を書いておりました。
書き終わってやれやれと一息ついて、また江口は旅行鞄を肩にかけました。
今日から萩に行ってきます!
なんだろう、これ。まるで兼高かおるみたいじゃないか! いや、誰か知らないけどさ!!
冗談はさておき、2泊3日の旅行です。今回は、同じ旅館に2泊するという、ゆったりプランを立てました。
本日の同行者は、「新幹線に乗るのは初めて」という、旅のビギナー。
そうかあ、ビギナー相手だと仕方ないなあ、上級者である江口がリードしないとなあ。
というわけで、今回も作りましたよ、旅のしおり。当然、アオリ文も入れてね。
旅の準備の大半は、このしおり作りだったよ今回もさあ!
さ、行こうか。
本日の交通手段は、相も変わらず電車です。山口といえばSLやまぐち号とのプランもあったが、残念ながらルートから外れたので利用できず。いつものとおりの特急しおかぜと新幹線ひかりです。ちょっと違ったことは、周遊きっぷを購入したことでしょうか。それにしてもJRの割引切符はしらないものが色々あります。
往路は何かおもしろイベントが発生したり変わった車両に乗ったりもせず、ダイヤどおりに電車が来て、それに乗ってひたすら目的地へ行くだけ。特筆することもございません。
と思っていたら、しおかぜが新しい車両に変わってたよー!! ひかりがレールスターだったよーー!!
お兄さん、ほらほら、特急って車内販売ワゴンがなくなったからさ、その分通路が狭くなってシートが広々になってるよ。レールスターはね、前に湯布院行ったときに外観だけ見てカッコイイなあって思ってた車両なんだよ。それに今日は乗れるんだよ。ラッキーじゃん、今日はラッキーじゃん。
「にわかテツ」って言われた。
●秋芳洞●
http://www.karusuto.com/index.html
閑散。
旅のしおりを作るまで、『秋「吉」台』は『秋「芳」台』だと思っていました。漢字変換できないから変だなあ、って。んで、『秋芳洞』は『しゅうほうどう』って読むんですね。知らなかったよ。でも『あきよしだい』で通じるし変換できるよ。そう、きっと『出雲大社(いずもおおやしろ)』と同じ。ついでに言うなら『湯布院』って表記も本当は間違ってんだよね(江口は意図して使ってましたが)。
正午前。新山口駅到着。
新幹線停車駅だから、それなりの大きさを考えていましたが、ええ、まあ(なぜ語尾を濁す)。
目的地まではバスで移動です。出発は50分後、今のうちに昼食を済ませます。
構内の食堂はなんとなく薄暗くて、電車の行き交う音はいくらでもするのに、人の気配がありません。えっと、駅だからって過剰な期待をしてはいけないってことね。そう、今日はだって平日じゃん。学校も始まった、普通の月曜日じゃないの。だからだよ、そう、だから。
だから秋芳洞方面バス乗り場に人がいないのも、しごく当然の事態ってことよ。
3時間に2本しか便が無いのも、そりゃあ当然の事態ってことでしょうよ。
まー。
そりゃ、思いっきりシーズンオフではございましょう。こんな時期に行楽しているわしらのほうが時季はずれでしょう。
でもなあ。こんなにガラガラでいいのかバス。どこでも好きなところ座り放題だよ。思わず一番前乗っちゃった。
秋芳洞までは約1時間半ほど。途中で病院前などのバス停に止まりはしたが、ほとんどノンストップで秋芳洞正面入り口へ到着しました。
閑散。
あのー、これは、月曜日だからお店がお休みなんですか?
バス乗り場周辺の店という店はすべてシャッターが下ろされ、看板もありません。申し訳程度にタクシーが停まっています。あ、でも、秋芳洞入り口のほうから人が歩いてきますよ、ああ、なーんだ、あっちには人がいるんじゃない、お店だって並んでるんじゃない。ほっと一安心、道を渡ってお土産屋ロードへ踏み入れます。
やっぱり誰もいないーー。
呼び込みする声すら聞こえてきません。我々は歓迎されていないのでしょうか。しかたないので自主的に店に入っていきます。えっとね、この辺りは石が特産ね。オニキスや大理石の加工品が多く並びます。なんか表札屋が多いなあ、と思ったら、ああナルホド。
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そしてこの写真は、表札屋の看板の並びがイイ具合に『ねじ式』だったと感じた記念。 |
もひとつおまけ。ショーウィンドウに並んでいた22世紀ネコ型ロボット兄妹。 |
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そしててくてく歩き進むと、念願の、秋芳洞入り口に到着しました。
圧巻。
そもそもなぜ今回、秋芳洞に行こうということになったかというと、以前に龍河洞へ行ったときに江口がえらく感激し、ならばもっと大きな鍾乳洞を見ようではないか、というわけで立った企画でした。
そしてその期待を裏切らない外観。
ブラボー。
入洞料1人1200円を払って中に入ります。
おお、中は広い、通路は整備されている、壮大な地球の歴史のロマンがそこに!!
何度見てもすごいなあ鍾乳洞って。どうやってこんなのが出来上がるんでしょう。何年ですか、これだけ出来るのに何年ですか。そうやって出来た自然の形に、ロマンチックな名前をつける先人の粋さよ。とりあえず、空洞の中にちょっとした石があったら、それは観音様ということで。
ところで、入ってすぐに冒険コースの入り口があるんですが、料金箱がそこに設置されていて、「料金はこちらへ」って書いてある、それはお金入れたら勝手に入っていいってことなんでしょうか。案内人とかいないんでしょうか。
ちょっとチャレンジしたくなったが、残念ながらそのつもりがなかったので装備が中途半端だ。それにやっぱり、係員に声をかけるべきだろう。誰もいなかったのでやめました。
と、そんな楽しい見所とツッコミ所満載で、我々の散策は続きます。
‥‥でも正直言っていいですか?
龍河洞の方がスリリングでしたよ。
なんて言いますか。小綺麗、秋芳洞は。
おそらく、繁忙期には、観光バスが次々と到着して、どっと観光客がなだれ込む空間なのでしょう。ガイドが先頭に立って行列して進んでも渋滞しない、そんな広さと整然さがあります。閉じ込められても遭難しそうにありません。きっとコウモリもへんな虫も生息していません、そんな感じ。人工的、というか、鍾乳石までの距離が遠いというか。ガラスケースの中の鍾乳石を見ながら進んでいる、そんな印象でした。あとね、ガイドの人がいなかったのも寂しい。そりゃ音声ガイドはついてるんだけどね、なんとなーくの気分で。
が。それもエレベーター出口までのこと。
ここから更に奥があります。黒谷出口へ向かう方向です。
どこのガード下でしょうかここは。
ほとんどの人がここの存在に気づかずに、エレベーター出口から出て行ってしまってました。我々二人だけがここの奥まで進んでいます。この階段を境に、一気に異空間です。何でしょう、この雰囲気は。きっとコウモリもいます。へんな虫もいます。
いやあ、堪能しました。
それではエレベーター出口まで引き返して、そこから秋吉台展望台へ向かいましょう。
●秋吉台●
看板娘のなっちゃんと一緒に。
この場所での行動の基本は徒歩です。
とにかく歩きます。誰も歩いていないけど歩きます。エレベーター降り口から、展望台まで上り坂を約5分。そりゃ、たいした距離じゃないけど、桜も若葉が茂りだしているこの時期に、坂道歩きゃ汗だくにもなろう。旅のビギナーは途中でトレーナーを脱ぎつつ、頂上を目指します。
そうして到着した展望台は。
壮観!!
実はそんなに期待していなかったんですよカルスト台地。なんでしょう、この寒々とした広原。視界が白い。どこを見ても白い。まさか日本にこんな風景があるなんて。いや、ひょっとしたらどこにでもあるのかもしれないけど、鳥取砂丘とか。
たかが山口県で感動する我々。これでモンゴルとかナスカとか行ったらどうなるんでしょう。
高地だからなのか単なる季節が理由なのかはわかりませんが、とにかく風が強かったです。展望台に上ると、風に髪をなびかせた、ちょっとしたグラビアポーズがとれます。
そこから周辺を見回すと、ああ、観光バスが集まってます。直行で裏の駐車場まで来てるんですね。それから、集合写真を取って、夏みかんアイスを食べて帰って行きました。シーズンオフかもしれませんが、それなりに人が来ています。余計な心配は要りませんでしたね。しかし、写真だけとって終わりですか。まあ、どこ見ても白い岩ですからね。買い物ったって、先の夏みかんアイスぐらいしか。ちなみに上写真のツーショットは、その売店にて。
しかしそんなに混雑していても、遠く向こうの岩場の影にいる、お馬さんと記念撮影はがらんとしていました。
そのまま展望台でボーっとする我々。岩周りを歩いてもいいのだが、なんとなく疲れてきている。若くないのか。
まあしかし、ここで次のバスの時間まで呆けていても勿体無い、目をつけていた次の目的地へ行きましょう。
秋吉台科学博物館。
(笑)。
結論から言います。
楽しかったです、ものすごく。
毎度のことながら、我々はこういう場所にめいっぱい喰いつきます。
玄関をくぐると、でっかい鹿の骨の標本が出迎えてくれます。そこから、古代から現代までの生物の化石と、その分類表。秋吉特有の生物の解説、などなど。
きっとどこの博物館でも同じものが並んでいるでしょう。たぶんこないだ行った龍河洞の博物館だって同じだったと思うよ。たぶんあそこでも目の無い魚やコウモリの標本があったはずだよ。
でも嬉々として巡回する我々。しまいには、バスの時間ぎりぎりになりました。
「なんで誰もこっちには来ないんだ!? こんなに面白いのに!」と同行者が憤っていました。それには同調しかねますが。
ちなみに、学芸員もいるにはいるのだろうが、誰も相手してくれません。入り口のパンフレットは「必要な人だけお持ち帰り下さい」と釘をさしていた。わしらは必要だからな、持ち帰らせていただきました。
さ、気が済んだのでバス乗り場に行きましょう。
ここから萩方面へ行くバスは一日に2本しかありません。しかも次は最終です。4時前なのに。
おおかたの予想通り、がらんどうです。券売窓口はカーテンで隠され、いろいろ案内が貼ってあるセロテープは茶色になってます。本当にここまでバスが来てくれるのか、不安になりました。
しばらく待つと、なんとか来てくれました。ほっとしました。
でも乗客はありません。わしら含めて6人ぐらい。
そりゃ日に2本ですな。
秋芳洞乗り場から出発したバスは、ここ秋吉台乗り場で客を拾い、そしてカルスト台地をぐるぐる回って山を降りて行きます。
おお、車窓に広がる景色のすばらしい事よ!!
図らずもこの定期バスが、観光バスとなっています。図ってんのかもしれないけど。そこは防長交通に聞いてくれ。
山を降りると、あとは只の住宅街。それまで車窓越しにカメラを構えていた乗客もおとなしくなりました。
そんな中で我々は、屋根瓦の色とシャチホコの形に興奮しまくり。
萩への到着は、5時ちょっとまえです。
つづく!
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