●2006年11月13日の旅●
山積み。
今日は11月15日です。 2ヶ月前の、湯布院編がまだ作成出来ておりません。 大丈夫です、あちらの作成は遅くなるだろうと初めから踏んでいたので、旅行の間中、ずっとメモ帳片手に詳細を書き残しております(自分で車を運転せずにずっと電車だったから出来た技なんだけどね)。なので少々、時間が経過したところで内容を忘れたりしません、後回しにしても大丈夫。 でも遍路道は、道々でメモなんか取ってないわけですよ。全ては江口の記憶力のみに頼っています。 加齢と共にンなもんは信用出来なくなってます。 というわけで、先にこっち。こっちを先に更新しちゃいますよ。
今年最後の遍路巡礼、ということになりました。 今年最後の遍路は、日帰りが可能な前半札所の最後でもあります。 気合いを入れていきましょう、場所は四万十町。高速道路は終点の須崎I.C.まで走ります。 所要時間は約3時間ぐらいであろうと予測。
さて、今回も初めて行く土地なので、事前に地図を開いてルートの確認を行います。 須崎で降りて、後は国道56号線をずっと下ればその途中にあるよ、とな。 56号線。 初めて行く、というのは誤りでした。 江口は過去に、13時間ドライブ(心の友・Mちゃんと共に、観音寺市から松山市に遊びに行った折り、「56号を制覇したい」というMちゃんの欲望の元、そのまま高知に向かい、高知I.C.からやっと香川県方面に帰ってきたという、未だ友人同士で伝説として語り継がれるドライブ)でここを通っておりました。ただ、あの時はもう夜で、道の脇が山なのか太平洋なのか分からないまま通過しただけでございます。 ともあれ、一度は通っていても全く勝手の分からない土地、やっぱり準備は必要でしょう。
今回は久々に、おべんとつかい(※方言。ピクニックね)をすることにしていました。気候的にもラストチャンスだろうしな。 なのでルートと同時に、それっぽい場所のチェックも行います。えーと、最近は便利ね、googleで地図と、衛星写真が見られるんだからな。えーと、検索検索、と。おお、近くに県立自然公園が。ここが良さそうじゃないか。 あれ? 駐車場、無いのん? 「駐車場のない」「自然公園」「海っぱた」。何かイヤな予感がして、衛星写真に切り替える。 予感的中。なんだこの何もない空間は。海岸か。海岸だったんだな。 その後、なんかこの衛星写真が気に入って、香川県を見て楽しんでいた。なんだか穴だらけだと思ったら、全部池。で、満濃池は琵琶湖とは比べものにならない大きさだったと初めて自分の目で実感した。ごめん。 話がわき道にそれましたが。 結局ポイントを決められないまま、当日となりました。 本日は同行者の呼び名は決めませんでした。飽きたのと、思いつかなかったのと。ナビでいいや、もう。
●往路●
かわうそ焼(つぶあん・カスタード各1個80円)
これまでと同じルートです。大野原I.C.から高速道路に乗り、高知へ向かって走る走る。 前回と違うのは、高知道の終点まで行かなければならないと言うことです。 終着点は、須崎。尾長鶏で盛り上がった南国市を通り過ぎ、土佐犬に興奮した高知市をも過ぎていき、須崎市に到着です。約2時間の道のり。ここから先はカワウソの町でした。国道56号線に乗り換え、いったんの休憩も兼ねて、道の駅・かわうその里すさきに停車です。
気になるなぁかわうそ焼。
お昼ゴハンの前に、そんな買い食いしてどうするんですか。見た目から判断するに、ただの大判焼きのようなものでしょう。味は容易に想像つきます、それが欲しいんですか?
って、写真を撮っているって事は買ったってことなんですけどね。そして買ったからには食べたんですけどね。はい、味は大判焼き。普通にお菓子でした。 外に屋台がありますが、建物の中でもレジの横で売ってます。トングが壊れているのか、掴みあぐねている様がたいへん気にはなりました。
そのまま店内に居座るわしら。 いやー、だって今日の目的地は1カ所だけだからさ、時間に余裕があるのね。ここの道の駅も、ちゃんとした土産物屋を併設しているしね。ご当地キティちゃんがご当地ドラえもんを浸食している現状を堪能し、ようやく店をでる。かわうそ焼を食べ食べ小腹を満たし、ようやく再出発です。もういっかい56号に出ましょう。
道は一本道です、ひたすら進みましょう。おべんとポイントはどこにしようかなあと捜しつつ進むも、なかなかよい場所がありません。最終的には道っぱたに車停めて、そこでもいいやとは言っていましたが、とりあえず地図を見てみます。公園のようなものはありませんが、地図には『風景変化のある快走路』とあります。ほう、風景変化ですか。
それはつまり、さっきまで右側にあったものが左側になり、北側にあったものが南側になり、海だったものが谷になったりするのですか? 要するに、蛇行するか起伏が激しいか、そんな悪路であるということじゃないんでしょうか。
結果。普通の道でした。 七子峠までは若干のうねうねがあったが、道幅のあるちゃんとした舗装路だった(快走路だな!)ので特に気になるよーなものじゃございません。 峠くだり。普通の道。 風景変化があったことすら気付かなかった、普通の道でした。実は七子峠の展望台をゴハンポイントの候補にも考えていたのだが、気が付けば通り過ぎてしまってたぐらいの穏やかさ。ええ、ここまで遍路してきた人間にとって、山なんざ珍しくありませんよ。
とか何とか言ってたら、山下りて、窪川に入っちゃった。 というわけで、おべんとポイントは、道の駅・あぐり窪川。東屋を拝借してランチタイムです。
久しぶりにおべんと作りました。本日のメニューは、カレーピラフ。付け合わせに豚の唐揚げと卵焼き。なんで唐揚げにしたかというと、カツにする時間が無かったからだ。なんで時間が無かったかというと、仕込みをするつもりだった前日にこのナビ男が電話かけてきて、そのまま長電話へと発展したからだ。でもってこの男、「お茶(この場合は温かい紅茶を指す)はそっちの担当でヨロシクー」と言っておいたのに忘れてやんの。 余談であるが、本日のメニューがなぜコレだったかというと。雑誌の付録についていたレシピ付きカレンダーに、あさりとコーンのピラフをギフトボックスみたいなものに入れてレイアウトしていた、その図がなんか可愛くてマネしたくなったから。おべんと準備に一番手間がかかったのは、このパッケージ捜し。結局無かったんだけどさ。写真はダイソーのおかずパック。
やっぱりここでも時間があるので、食後も道の駅内をうろうろする。ここは米粉パンが有名らしいですよ。買わなかったけどね。今思えば残念である。おいしいかそうでないかが問題ではなく、買うことが楽しい。ちっくしょう、楽しみを一つ逃してしまった。
一服ついたので、さあ岩本寺へ向かいましょう。あとちょっとですよ。さっきから、道の駅前をお遍路さんが歩いています。何人もがこの道の駅の前を通りすぎました。
車の我々は、そんな彼氏彼女らをどんどん追い抜いていきました。また会いましょう。
●第三十七番札所 藤井山 岩本寺(ふじいさん いわもとじ)●
『ヒロ君 機嫌の 悪い時があります ご注意下さい
今日のご機嫌は如何でしょう。
さて、道の駅からさらに西へ進みます。56号をまっすぐですが、途中で脇道に入ります。でもきっと大丈夫です、さすがに直前までくると、標識が立ってます。 おっと、言ってるそばから見えましたよ青い標識。ここを左折ですね、ちょっと住宅地になりますか。まあサビたガードレールもまた趣のある‥‥。
って行き止まりやないけ!
嘘。正しくはT字路。 岩本寺はここより右なのか、左なのか? とりあえず左へ行ってみます!
ハズれました!!
『水車亭』なる土産菓子屋の駐車スペースを拝借して、Uターンです。 先ほどの錆びサビ位置まで戻り、ちょっと前進。
すぐに見つけました。道を挟んだところに、狭い駐車スペースがあります。ギリギリ1台分空いていたので、そこに置きます。 さて参拝。
参拝よりも入り口にある菓子屋に気を取られるわしら。 今日は食い意地の張った旅です。 正しい目的地はこっちです。寺。
えーとね。まったり。 わしら、こんな静かな寺が大好きです。ここもまさに、わしら好みの、こぢんまりして静かで田舎臭い(褒め言葉)寺。他の遍路達がさっさと参拝を済ませて出て行っているのに、わしら2人はけっこう長居しました。仏足跡にかざした手を頭に当てる、なんてお約束もこなしながら。 と思ったが、わしらはそう、ココだけが目的だからのんびりしてもいいんだ。 ツアー遍路や、歩き遍路、あんた達はとてものんびりはしていられないんだろう。
なぜならこの次は足摺だ。
今日中に行くの? もう昼の1時回ってるよ。 でも、行くんだろうなあ。というか、行くためにはもうギリギリの時間なんだろうなあ。さっきまであんなに人がいたのに、もう誰もいなくなってた。 なので思う存分、ヒロ君をいじってました。 (※ヒロ君=犬。今日は機嫌どうこう以前に、ぐっすりお休みでした)
構わず我々は長居しますよ。 ここは何より、見たいものがあるのです。
天井画!
久しぶりに『週刊四国遍路の旅』出してきましょうか。ここにはこんなガイドがあります。 『本堂の格天井に描かれている天井画は有名で(中略)花や蝶の他にマリリン・モンローの笑顔も見える』
マリリン・モンロォ???
見とかなイカンでしょうが。寺の天井におわしますアメリカのセックス・シンボル。 結論から言うと、見つけました。 ちゃんとした上手い絵だったので、それ以上に盛り上がることもなく。 しかし、さすが全国から集められた天井画、題材に統一感はなく、すっとんきょうなものを見つけたりして、それはそれで楽しい。ここでもまた長居する我々。 と、天井画に気を取られていたら、火縄銃見られなかった。後にナビ男に言われて知った。そーだったのか。
納経も済ませて、さあ帰りましょうか。
ところでナビ男さん。お願いがあるのですが。
『三度栗』、買って帰っちゃダメですか?
はい、寄ってきました入り口の店に。展示品は箱入りばっかりだったが、ちゃんとバラ売りもある。一つ150円。なかなかのお値段である。
●復路●
水車の前で。
本日の目標、達成!! では帰りましょう。 しかし時間はまだ2時にもなってません、このまま帰ったら夕方にはお家に帰れちゃいます。いや、帰ることに何ら不都合はないんですけど。 どっか寄り道でもして帰りましょうか。でも、そんな面白そうなポイントは無いしなあ。
ところでナビ男さん。お願いがあるのですが。
さっきUターンした『水車亭』、行ってもいいですか?
おそらく、この近所では大きな菓子屋なのだろう。香川県でいうなら『白栄堂』や『灸まん本舗』と思えばいいのだろうか。 ここへ来るまでの道中、電柱という電柱に看板がかかっていて、なんとなく気にはなっていたのですよ。 そしたらずいぶん近くまで来てしまったので。 行ってはいけない理由もありません。というわけで行くことにしました。
先ほどはUターンのみに使ってしまった駐車場に、今度は正しく駐車します。 おじゃましますヨー。
冒頭の写真。皆様、いったいこれは何かと思われていたのではないでしょうか。 答えは、芋ケンピ。 1sの袋入りが、ご覧のように山積み。
圧巻!
ちなみに735円ね。高いんだか安いんだか、この量になったら、もう判断がつかない。 欲しいなあ。欲しいなあ。江口、芋ケンピ大好きなんだよなあ。 って、この項アタマの写真があるってことは、つまり買ってるんですけどね。 ちなみにこの写真を撮影するときの事。会計を済ませて店から出てきたナビ男が、そのままケンピ抱えて水車の方に走っていくから、いったい何事かと思ったらポーズ取るんだもんな。そりゃ撮るしかないでしょう。周りに客はもちろんいた。きっと店内からも見えているはずだ。
で、最終的には買ったけれど、買う決定をするまで、そりゃあ悩みましたよ。 1sですよ、1s。江口は一人暮らし。それに今日は至る所でお菓子ばっかり買ってる。持て余すのは目に見えている。でも1s袋入り、これは買わないと嘘だろうよ。でもでも、割安とはいえ、735円。安くはないなあ。おっと、こっちにちょっと細身の、680円(たぶん)のがある。塩を効かせた変わり風味。いやさ、江口はスタンダードじゃないとな。そうして迷っている横で、宅急便のトラックから2人お兄ちゃんが降りてきて、2袋掴んでレジに行った。ああ、ここで乙女がこんなに悩んでるのも知らずにあっさり買いやがって。 最後に江口の背中を押したのは、ナビ男の言葉。
「江口(仮名)なら食べるって」。
食べました! 2週間ぐらいかかったけどな! もちろん1人で全部さ。当初は、ママンに半分おすそわけとか言ってたんだけどね。 困ったことに、食べ飽きないの。気が付いたらぽりぽりぽりぽり食べてる。ここの文章書いている今もまた食べたくなった。どうした江口。前世で飢えてたか。
今度こそ本当に帰ります。 時間がたっぷりあるので、須崎ICには乗らず、時間の許す限り国道を東進した。高知ICまで戻って、そこからやっと香川県に帰って参りました。お疲れさまでした。 お家でお茶を入れて、三度栗をいただきましょう。
おまけの話。
道中、窪川近辺が工事をしていて、片道相互通行になっていた。 しばらく停車したのち、誘導に従って再発進。 誘導のおっちゃんが、通過する車に頭を下げた。 なんかそれがステキでさあ。 普通にアタマ下げただけなのね、『工事中ご迷惑をおかけしています』の看板みたいに。そして下げている本人も、それ以上の意味を持たせての礼ではないはずなのに。 いったい何がそんなに江口のハートにズギュゥーンだったのかとしばし考える。 結論。江口好みの顔のおっちゃんだったからだ。 えっとね、北野大似だった。もちろんメガネ。
ズギュゥーン。
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