えぐちず 2

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 ●宵待ちの宿 萩一輪●
http://www.hagi-ichirin.co.jp/


露天付き客室★

 バスは東萩駅に到着です。
 おお、これが萩ですか。一時は『小京都』との異名を持ち、ブイブイ言わせていた萩ですか。どうしたのでしょう、いい印象が無いのでございましょうか。
 本日のお宿は『萩一輪』。「本日」とは言いましたが、ここで2泊です。萩拠点と言ったほうが正確でしょうか。
 歩いていくにはちょと遠い、巡回バスは無い、タクシーに乗るしかないかなあ、と思ったら、迎えに来てくれました。ありがたいことでございます。ふと見ると、他の旅館やホテルの送迎バスがどんどん集まっています。ああ、ここらではこれが基本サービスなのか。
 全部で3組の客を乗せ、バスは旅館に向かいます。20分ほどで到着。

 わーい、いい旅館ー。

 綺麗、施設充実、仲居たくさん。
 第一印象。建物が綺麗。従業員がちゃんとしている。これはハズレの無い、納得した宿泊が出来るだろうとの予感がさせられます。事実そのとおりです。仲居の名札が下の名前で書かれているのだけが気になりましたが、まあいいや。
 各施設の説明をされながら、部屋に通されます。我々の部屋は3階。

 あのね。狭かった。

 やー。ちょっと部屋の狭さにびっくりしちゃった。2人部屋だからこんなものだと言われればそうなんだろうけど。よく考えたら江口はこれまで大人数でしか旅行したこと無かった。
 でも隣の部屋のその向こうには露天風呂★
 塀の向こうは日本海★
 いやあ、たまらんなあ。



 でも、部屋に入ってすぐの畳に花の絵があって、視界に入るたび「何か落ちてる!」と思ってしまうのがなかなか慣れなかったです。

 5時にチェックインし、5時半には夕食だというのに(おなかぺこりんだったので早目を指定)、同行者は早くも部屋露天に入ろうとしています。もとい、入りました。
 「温泉では5回入浴が基本!」だからです。今入って、食後に入って、寝る前に入って、翌朝入って、朝食後に入る。しかもこの部屋には部屋付き露天があるんだ、10分でも間があるのなら入るがいいだろう!
 というわけでこれから先、ちょっと間が空くと風呂に入ります。バスタオルの乾く間がありません。大丈夫、大浴場に貸しタオルがあるからな! 最終的に2泊3日で15回ぐらい入ったんじゃないだろうか、誇張ではなく。

 さて、お楽しみのごはん。部屋に運ばれてきます。贅沢気分。
 お品書きが無かったので、詳しいメニューはよく分かりませんが、とりあえずこんなカンジで。

ディナーフルコース★

ふぐ釜めし★

ふぐ刺し★

ふぐ唐揚げ★


 山口県だもん。そりゃフグさ!!
 旬は冬だそうだから、ああ、時期外したなあと思っていたが、「今はマフグが旬です」って説明されてホッと一安心。ご覧のとおりのふぐ料理の数々。そしてそれ以外にも並ぶ、魚介類の数々。ここは日本海なんだと再認識させられました。
 余談ですが、ここで勧められた「地元の、ちょっと甘みが強い」醤油の写真を摂るのを忘れたことをご報告しておきます。我々の言う、刺身醤油のような味。「口に合わなければこちらの、一般的な醤油を」と勧められたのはマルキン。一般的。

 食事が終わってまだ7時前。ちょっと寝るには早いなあ、どっか散策でもしないか、ということになり、器を下げに来た仲居さんに尋ねました。すぐ近くの指月公園は、歩いても近いのかと。
 はい、近くです、すぐそこです。
 しかも今は桜の時期、夜桜をライトアップしていますよ、とのこと。
 まあそれはすてき。せっかくだから腹ごなしに歩きませんか。

 ‥‥‥‥。
 奥さん。萩は夜の7時すぎると人っ子一人いなくなりますよ! 車も通りませんよ!! コンビニなんて異国の物語ですよ!!!
 確かに公園はすぐそこだ、遠くライトアップの明かりも見える。
 でも無人の堀周りを歩くのは怖いよ、こっちは年頃の娘さんなんだからさ!!

 というわけで帰ってきて、風呂三昧としゃれこむことにしました。
 散策は昼間。
おまけその1。
地ビール『村塾』で宴会。
おまけその2。 青じそ緑茶にしてやられる同行者。


●萩2日目●


スタンダード旅館朝ごはん。一日のスタート。

 おはようございます萩2日目。起きるとそこに露天風呂。部屋付き露天はいいなあ。
 秋吉での疲れは癒えましたか。今日は萩を見て回りますよ。がっちり食べて体力を付けておきましょう。朝ごはんは食堂へいって他の客と一緒になるのだが、ふと見ると座敷いっぱいに食卓の用意が。館内で誰とも顔を会わさなかったが、実はこんなに泊まってたのか。

 おいしいごはんをたらふく食べたら、次はなんと、旅館オリジナル観光が待ってます。

 この旅館、サービスでマイクロバスでの城下町観光が付いています。そりゃあ利用しない手はないでしょうよ。30分ぐらいのコースですから、大した遠距離はいかない、近所中をふらりと回るだけなのですが。なかなかどうして興味深い。
 なんせ見所の大半は、古く城下の風景が残ってあるところ。
 はっきりいって、ただの民家なんですわ。普通に自家用車が停まってるし、洗濯物干してるし、犬が寝てるし。こんなところを解説なしで行って、何がなんだか分かるわけが無い。そこでガイドの登場です。運転手とガイドテープと、ダブルで解説がなされます。妙に蛤御門の変での切腹の描写が気合入ってたのはなぜだろうな。
 そんな解説を尻目に、蕨取りに興じる幼児に見入る我々。幼児はその後、竹馬に乗って遊んでた。なんだここは。時が止まってるのか。

 バスツアーは30分ほどで終了。旅館に戻って、他の客たちが忙しくチェックアウトに追われているときに、我々はまた風呂に入ります。そろそろフロントが落ち着いてきたかなー、というころになって、いよいよ2日目観光スタートです。
 その前に。
 近所にコンビニはありますか? 使い捨てカメラを補充しなければ。
 ありません。なんてこったい。
 しかし24時間営業のスーパーがありました。
 このあと、ここのスーパーに何度かお世話になることになります。てゆうか近所で買い物できる場所ってここだけ。萩の人らはどこで日常の買い物をしているんだ。

 さーて、今日の一発目目的地は、萩焼体験。場所はちょっと遠くて、東萩駅のさらに向こう。
 萩観光に便利だといわれている巡回バスだが、旅館から東へ向かうバスって走ってないんだわ。結局、中心街のバスセンターまで行かないと。
 というわけで、スーパーでの買い物もあるので、センターまでてくてく歩くことにします。
 てくてく歩きます。
 てくてく歩きます。
 右へ行けばセンター、まっすぐ行けば目的地、という交差点まで出てきました。
 地図を広げます。
 距離、同じじゃん。

 というわけで歩きました、まっすぐ行きます。




●竹庭萩野(萩焼会館)●
http://www.hokumon.co.jp/chikutei_hagino/index.html


この広い体験場に。

 そろそろ疲れてきたのでバスに乗ろうか、とバス停の表示を見たら。竹庭まであと一駅だったので結局最後まで歩きました。
 そうして到着しましたのは、今日のメインイベントともいうべき、萩焼体験会場、萩焼会館。

 『会館』とありますが、メインは旅館です。旅館付きのお土産コーナー、その一方で体験が出来ますよ、という作りの施設です。
 絵付けが1050円から(土台の器によって違う)、手びねりが1680円で体験できます。完成品を宅配してもらうための送料が更にプラス。
 予約は特に要りません、営業時間のうちに売店の人に言えばやらせてもらえます。
 ただ、施設の雰囲気からするに、観光ツアーや学校の課外授業などで利用しているのかもしれません、事前にスケジュールの問い合わせをしたほうが確実だと思います。
 ちなみに我々はごらんのとおり誰もいないときに行きました。説明してくれる係の人すらいなくなりまして、わしら二人きり、このだだっぴろい教室で好き勝手やり放題。

 絵付け、手びねり、どちらをやりますか?
 そりゃ手びねりに決まってますがな!!
 正直言って我々、不器用です。センスなしです。まともなものが作れないのは火を見るより明らかです。しかし萩焼の地に来て焼き物をしないとは何と勿体無いことよ! というわけで焼きます。テーマは『茶碗』。

→ 
まず、土を貰います。
貰えるのはこれっきり。
大作には挑めません。
  糊の役割を果たす、水気の多い土。
なんて名前かは忘れた。
これはおかわり利きます。
  構想の無いまま、練る。  
           

 

 
「ろくろを使ってもいい」
と言われたので使ってみる。
手動。
  完成品は伏せて置きましょう。   土が余ったのですてきうさぎ。
※焼いてくれません。
 


 1ヶ月ほどで完成、自宅に届くのを待ちましょう。
 それまでは、既製品で萩焼を堪能。おみやげに花瓶などをいくつかと、我々の普段使い用の湯呑み、蟹の箸置きを購入。
 
 たかが湯呑みとはいえ、デザインはさまざま。どれを買おうか迷います。
 一番心が動いたのは、おみやげによくある、家族それぞれの名前が書いてある湯呑み。『ぼく』『わたし』『おとうさん』『おねえちゃん』って、アレね。傷ものワゴンに入っているセール品を見ると。
 『おじいちゃん』の絵付けミスなのだろう、『おしいちゃん』。

 欲しいなあ、おしいちゃん。

 かなり迷いに迷って、結局買わなかったが、買えばよかったと今でも時々思い出す。
 あとなぜか、ひとつだけあった名前入り『まさこちゃん』も。何でまさこちゃんだけが売られているのか。

 さて、この施設、体験場の階下は工房になってます。陶工が常駐していて(てゆうか勤務中なのであろう)、作っているさまを見せてくれる。見学自由。勝手に仕切りのカーテン開けて入り込んでよし。ただし、仕事中なので話しかけないように。お静かに。
 中で陶工は一人だけ。隣に座布団とろくろがあったので、忙しいときには数人でやっていると思われるが、ともあれ今日いたのは、村○隆に似たおっちゃんがひとり。で、まったく陶工には責任の無いことなのであるが、ジャージ着てたのに驚いた。ほら、作務衣を着て頭に手ぬぐい巻いているのイメージしてたからさ。
 ともあれ作業を見る。ほいほい湯飲みを作っていくおっちゃん。湯呑み一つにつき一つ分の土を置いてやるのかと思っていたら、大量の土を乗せてそっから一個分だけ作り上げていた。なんだかんだでさすがである、3〜4個作るまでを見ていたが、大きさは揃っているし作るスピードも同じ。見とれるほどでした。
 しばらく見ていたら、駐車場のほうが騒がしくなってきた。ああ、ツアーバスが到着したんだな、じゃあわしらはそろそろ引き上げようか、と思っていたら。その村○隆が我々に声をかけてきた。

「残って、ガイドさんの解説聞いたらいいですよ」

 ああ、いい人だ村○隆!
 じゃあお言葉に甘えて、聞かせていただくよガイドさんの解説を!
 というわけで、知らん顔してそこに残って、萩焼のウンチクを仕入れてきました。あのね、器の高台に傷があるのは、意図して傷物にして庶民が使えるようにしたんだって。あとね、陶器が使うにつれて茶渋が付いたり色々付いたりしてひび割れ状に色が変わってくる、これは「萩の七化け」って言うんだって。へー。
 てゆうか、好きこのんで萩まで来たくせに、この辺のことも知らんかったんか、わしらは。

 思うさま体験をさせていただきました。そろそろおなかも空いてきました、お昼ごはんにしましょう。



●道の駅 萩しーまーと●
http://www.axis.or.jp/~seamart/index.html


日替わり海鮮丼(味噌汁+煮物小鉢付き)。
かき込み難いデザインのどんぶりでした。


 しかしこの近所には食べるところがありませんよ。いや、さっきまでの萩焼会館にもあるんですが、オシャレなカフェでイタリアンとかは食べたくなかった。せっかくなんだから、もっと日本海らしいところを選びましょう、ということに。とはいうが、どっこも無い、本当に。まだ駅周辺ならあったかもしれないが、ここがここでまた街の端っこなんですな。
 いちおう、アタリはつけておきました。道の駅、萩しーまーと。ガイドブックに載っていたし、ここから歩いていけそうな距離ですし、まあ食べ物屋がない、という事態だけはないでしょう、ということで決定、目指して歩きます。
 そうして到着したしーまーとは。



 魚市場ーーー!!!

 うわあ、さすが日本海に面した道の駅! 何でしょう、この活気。何でしょう、この充実ぶり! 旅行中でさえなければ、ここに並んでいる魚を買いまくっていたことでしょう。なぜ我々は旅行中なのでしょう。瀬戸内海では見たことの無い魚がトロ箱で山積みですよ。かまぼこや乾き物なんかもたっぷりですよ。菜っ葉とミカンばっかりの香川の道の駅とはえらい違いだーー。
 てゆうか本当に、道の駅って場所によってぜんぜん違うな。いいなあ、しーまーと。近所にもあったらなあ。

 いつまでも感動はしていられませんよ、ごはん食べなきゃ。
 食堂は数箇所ありました。よくあるドライブインレストランみたいなものを想像していましたが、なかなかどうしてちゃんとした食堂が集まっていました。そもそも、「飲食ブースがいくつもある」という時点で、ここの規模の広さと活気を分かっていただけるかと。
 入り口の案内を見て、適当に決めましたのは『維新亭』。お店の明るいお姉ちゃんたちは和服スタイルで出迎えてくれました。選んだメニューは海鮮丼。たいへんおいしゅうございました。

 でもお姉ちゃんたちの和服姿を写真に撮らせてくれ、と言ったら恥ずかしがって撮らせてくれませんでした。しょんぼり。

 テキトーに選んで期待もそれほどしていなかった場所でしたが、かなりの高得点ポイントだったので満足です。ありがとうございました。
 さて、おなかも膨れたことですし、移動しましょうか。

 「せっかくなので、まぁーるバスも利用しよう!」と江口の強い要望により、ここから次の目的地、松陰神社まではバスに乗ります。
 では次のページ。



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