●3日目●
ここの旅館では、カラフル浴衣がレンタル(300円)できます。 江口は金魚模様をチョイス。
浴衣なんぞ興味は無かったのですが、せっかくだから借りてみました。何がせっかくなんだか。 はい、おはようございます、萩旅行いよいよ最終日です。悔いの無いように行きましょう。ここの旅館ももうすぐチェックアウトですよ、気になるものは全部チェックしましょう。
気になる
たこちゅう
使える施設は全部使いましょう。同行者のように、目覚めの大浴場に行く前に、部屋露天でひとっ風呂浴びるぐらいの気概が欲しいですな! ごめん、エステやネイルサロンは近寄りさえしませんでした! 風呂に入って、朝ごはん。2泊目なのでもちろんメニューが違います。そしてよくみると回りにある1泊目客用の朝ごはんは、昨日我々が食べたものとまったく同じでした。今日江口が飲んでいる味噌汁は、豆腐の味噌汁なのに昨日飲んだ蜆の味噌汁の味がします。同じダシですか。
朝ごはんを終え、荷物をまとめ、あとはチェックアウトするだけとなりました。 しかし、正午ごろにならないとバスは出ません。なので我々は、時間ギリギリまでこの旅館に滞在することに決めていました。いつもならチェックアウトは10時なのですが、ネット予約特典で11時になってます、なのでまだ3時間近くヒマがあるのですよ。
ならば行きましょう、初日に行こうとして尻ごみした萩城へね!
●指月公園〜萩城●
天守閣跡からの眺め 今回の旅行は、花見も兼ねています。3月末からいままで、ばたばたしていて桜をまったく見られなかったからな。水疱瘡で寝込んだときの再来のようだ。悔しいったらありゃしない。というわけで、ここで網膜に焼きつくほど桜を見てやるぞー、と気合を入れてみます。 実はプランのひとつに、2日目でここを選んで、旅館でお弁当などを用意してもらい、それを持って花見をしよーう、というのもあった。まあ結局は効率のためにごらんのようなルートになったわけですが。ともあれ、花見です。
‥‥悲しいかな、このとき萩の桜はほとんど葉っぱが出てしまっています。
香川はね、まだ3分咲きだったのですよ。だから萩はちょうど見頃だろう、と思っていたのですが。 緑色のガクに薄紫色の花を咲かせるとガイドさんから聞かされて楽しみにしていた天然記念物ミドリヨシノも、ご覧のとおり。その緑色は葉っぱじゃないか。 これが日本海側か、山陰か。水揚げされている魚といい、何から何まで違うよ、何だかんだで日本は広いよ。 |
| 盛りを過ぎても桜は桜、公園は遊歩道がある、天気もいい。そのままだらだら歩くことにします。 道沿いに歩くと、神社があり、近所の学校が植えた花壇があり、展望台があります。展望台はいったん、公園の敷地を抜けることになりますが、正門から正規に入場しているので出入りは自由です。 なんか、チケット窓口にいたおっちゃんが陽気でした。なんというか、観光客慣れしているというか。敷地から出てもいいものかどうかまごまごしていた江口たちに気軽に声をかけてくれたりね。何度も言うことですが、こういう部分からも、萩の観光地としての気合を感じます。ボランティアスタッフ一人一人に気合が行き届いている、そんなのをこの3日間でひしひし感じました。
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展望台は見ごたえがありますよ。高さはそんなに無いんだけど、海に面していて、右手に街が一望できる。遊覧船の発着場がすぐ隣で(もしかしたら普通の船も出入りしているかも)、船の行き来する活気あるさまが見られます。綺麗に円形になった海岸線もまた見事。いい風が吹いているしな。 | 続けて天守閣跡に上りましょう。
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石垣の脇にちょっと石を整理して簡素な手すりが付けられただけの階段があります、そこを上ると真四角のスペースに出ます。地面には点々と石が顔を出しており、ああここに柱があったのかなあ、なんて考えます。 目の前には立派な指月山が手の届きそうな距離にそびえています。 石垣の上は柵で囲われていて、下を覗くと春のぬるい水で満ちた堀が。 | 城好きにも面白い、観光地としても面白い、普段の散歩にちょうどいい(入場料かかるけどさ)、こうして思い返してみると、誰が来ても楽しめる公園だったのだと気づきました。
でも花江茶亭は閉まってました。抹茶飲みたかったのに。
●旧厚狭毛利家萩屋敷長屋●
長いほうが勝ち。
萩城入場券は、長屋入場券も兼ねています。場所はちょっと離れますが(って、道一本挟んだ向こうぐらいの距離なんだけど)、せっかくなのでこちらも行きましょう。 そしてこれは何でしょうか。熊さん八っつぁんの長屋ではなさそうです。 毛利元就の5男・元秋から始まる厚狭毛利家の屋敷ですって。部屋は5つに区切られていて、それぞれ床の間があったりするご立派な作り。また二人して畳の並びや梁の形に食いついていますよ。中ではスペースを利用して、いろんなものが展示されている。当時の調度品やら、萩市の模型など。でもそんなものより建物そのものに食いついている我々。
ところでこういう武家屋敷を見るたびに思い出すのが、浪人の傘張り内職の話。時代劇に出てくる内職って、いかにも貧乏人が日銭稼ぐためにやっているというイメージだが、実は傘張りはその出来上がりの品ゆえかなりのスペースを必要とし、本当に貧乏人は置き場所が無いためそんな内職は出来ない、らしい。なので傘張りは、内職の中でも選ばれたものしか出来ない。腐っても武士である証明であろう。そんなことをこの長屋見て考えていた。
後はひたすら歩きます。旅館の観光マイクロバスではゆっくり見られなかった町並みを、昨日は歩ききれなかったエリアをとにかく歩きます。土塀ひとつにしても表情はさまざま。作られた時代の流行もあるのではなかろうか、一つとして同じものは無く、当時の面影を残すものから最近作り直したこぎれいなものまで、ありとあらゆる塀を見ることが出来ました。一生分見たかもしれない。
そして11時5分前に旅館に戻る。あわただしくチェックアウトを済ませて、フロントでタクシーを呼んでもらう。 ごめん、もう歩けません。
●光圀本店●
店内には夏みかんざぶとん。
萩といえば夏みかん。夏みかんといえば光圀本店。 こちらもまた、あらゆるガイドブックに載っている店です。ええ、わしはガイドブックのとおりに動くマニュアル人間だからな。しかもタクシーで行きましたよ。観光客マルダシ。
目当てはもちろん、夏みかんの丸漬け。 夏みかんの中身をくりぬいて、中に羊羹を入れて砂糖漬けにしたお菓子。 ダイナミックで、いかにも萩に行ってきましたよと主張しやすい外観。 家族へのおみやげはこれにしようと決めておりまして、絶対に抜かしてはいけないコースとしておりました。
店はこじんまりとした、これまた歴史ありそうな佇まい。外にはこれでもかと夏みかんの皮が山積み。 中に入ると、「さっきまで工場にいましたー」な感じのおばちゃんが出てきて応対してくれます。 商品は他にも、皮の砂糖漬け詰め合わせ、缶入りマーマレードなどあります。このマーマレードも、缶入りといい、戦前みたいなデザインといい、ちょっとツボに入ったのですが今日の目当ては丸漬けなのでそちらを購入。
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家族用には発送しましたが、自分たちが食べる分は持って帰る。 なので当然、帰ったらすぐ食べる。 後ろにある湯飲みは、もちろん萩焼会館で買ったアレ。 |
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これにて予定すべて終了ー。さあ、香川に帰りますよ。
●帰路●
バスセンター待合室
長らくのお付き合いありがとうございました。2泊3日の萩旅行、あとは帰るだけです。 それではバスの始発地点、萩バスセンターへ行きましょう。 「地元住民の活動拠点として」云々説明があり、すべてのバスが集まる場所です。江口はなんとなーく、近所の駅のようなものをイメージしていたのですが。 ちょっと度肝抜かれました。なんでしょう、このレトロ感。 さっきまで歩いていた場所がお江戸情緒とするならば、中心街は昭和村(※21エモンに出てくる観光地)。なんか、すごい近所住人に怒られそうな発言をしていますが、でも自分が小さいときに見ていた風景がここに残っているのは事実です。
しばらく待つと、バス到着。やっぱり乗客はほとんどいません。 高速バスなので、新山口駅まで直通。うねうね山道を越え、やっぱり屋根瓦の違いに喜び、約2時間の行程。 駅に着いて、お昼ご飯のための駅弁を購入。 いやー、山口県の駅だからさ、「ふくめし」あるかと思ってたんだけど。残念、あれは下関駅だけの限定販売だった。 というわけで江口はSL弁当、同行者はあなごめしを選択。 帰りの新幹線の中でいただきます。
そうして江口たちの、長い長い旅が終わりました。
香川県に帰ってきたのは、夕方4時頃。さあ、荷物は宅配で送っているから、届くのは明日以降だ、荷解きはいいから、今日はさっさと晩ごはん食べて、お風呂沸かして寝てしまおう。
というわけで晩ごはんの買い出しに。
そのまま古本屋に行く我々。
あれか、死ぬのか? 止まったら死ぬ生物なのか? マグロか、マグロなんだなおまえらは。
2時間ほど回遊して、ようやく本当に帰宅。お疲れ様でした。
後日談。
ひと月ほどで、手びねり体験した茶碗が焼きあがって届きました。完成品はこちら。
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←左側がわし、右側が同行者の作。
ナナメです。→ |
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とりあえず、毎日の飯碗にしようと考えていますが、けっこうな大きさです。持ち難いし。
実は数回使った後、棚の奥へしまいこんでおります。
いっそのこと、桐箱か何か用意した後、50年ぐらいそのままにしておいて、子孫に知らん顔して譲ってみようかと考えている。
それではまた。
更新完了日は2007年9月15日でした。
おまけ。
旅館のアンケートに答えて貰った「記念品」。
「備品」ではなくて。
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