●2007年5月21日の旅●
この辺りは夜間には良くいのししが出没します。
はい、今日は8月24日。しかもまだ萩旅行編が終わっていません。そして来週の月曜日には次の遍路計画が立っています。
ごめん!!!
誰に謝っているか。ああここは趣味のサイトさ。締切があるでもない、思い出を忘れないように記録しようとしているだけさ。少々遅くなったって、誰に叱られるでもない。叱られる理由がどこにあるのさ。
開き直れば開き直るほど、なんか見苦しいですね。
というわけでいよいよ今回は、観音寺在住の我々にとって一番の難関と思われる、四国の最南端・足摺岬へ行きますよ。 いやきっと、県外人にとっても難関であろう。ここを難関と言わないのは、土佐清水に住んでいる人だけじゃないのか。 はしっこもはしっこ、足摺岬に行く為だけの道がある、それだけ。これがもし、岬が最南端でもなんでもない只の海っ端なら、きっと誰も道なんか作らなかっただろう、そう思われるほどに端っこ。あんまり言うと怒られるな、黙っておこう。 というのをどこへ行っても言ってる気がする。怒られてばっかり。
本日の同行者も、いつもの相方です。面白味も無くてすみませんな。 しかし今回は、この同行者が大活躍。 なぜなら彼は、宇和島市に拠点を持っているのですよ! 観音寺→足摺、に比べて、宇和島→足摺、というルートのなんと楽ちんなことか! というわけで前日の20日から翌日22日までの、2泊3日旅行として今回は計画をしました。なぜあとの2日の事を記さないのかというと、ただの帰省だからです。
ではレッツゴー。
●往路●
手前にあるのはブランコ。 奥にはトランポリンや木馬など。
宇和島からおはようございます。今日もいい天気です。絶好の遍路日和です。よく考えれば3月に車を新しくして、初めての遍路ですよ。この車でこんなに長距離ドライブをするのも初めてです。しかも今回は長距離ということで、前半は同行者が運転することになりました。おお、遍路旅で同行者が運転するのも初めてのことです。今までの江口旧車はマニュアル車だからと運転してくれなかったんですね。オートマは便利だ。
それでは遍路道に於いて初めてナビゲーターとなる江口と、初めてドライバーとなる同行者との旅。張り切って参りましょう。
ルートは国道56号線から、宿毛で321号に乗り換える。気が付いたら曲がり損ねてくろしお鉄道と併走してしまったのもまた愛嬌。 途中、トイレ休憩のために適当な場所にあった『道の駅すくも』に止まる。
しまった、オイシかった、この道の駅が。
手作り感満々。近所中で持ち寄った、ガラクタのようなオモチャの山。有志が集まって作ったのだろうか、至る所に若さがぱっつんぱっつんだ。オシャレで近代的施設は何もない、高校の隣にある駄菓子屋とか雑貨屋とか、そんな感じだ。ああ、道の駅ってなんでもアリなんだーとしみじみ実感。だからまた敵を作る発言してるし。 でもここは、だるま夕日で有名なところらしい。 どこまでが道の駅としての敷地なのかは知らないが、ずうっと公園として広がりがあり、かつ海沿いに遊歩道も出来ている。さぞやだるま夕日のシーズンには、ここにずらりと観光客が並ぶのであろう、と思った。そうなれば逆に、こうやって「何もない」状態の方が重要であり、ここに収容人数を制限するような展望台がある方が無粋であろう。 とりあえず、トイレは綺麗なので安心です。安心してだるま夕日見に来て下さい。って何を宣伝しているのか。
そのトイレから出てきたら。同行者が何かを指差している。
コレ↓
四国の中で一番安いかも 高級アイスクリーム
いいなあ、こんな文句もまた、この道の駅の味。
結果。
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今 気づいたがこの人、萩と同じ格好じゃないか?
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あとはスカイラインとなっている県道27号線をまっすぐ行けば、迷うことなく足摺岬。右手に海を見ながら、潮風を受けて走りましょう。
いいですかー、27号線ですよー。海沿いにまっすぐですよー。
‥‥348号線に入られた。
いやさ、ちょうど交差しているところで、看板がでかでかと348号線を指して『足摺岬』と表示されていた。なので相方は、それを見てハンドルを切ったというわけだ。
ナビゲーター慣れしていない江口と、ドライバー慣れしていない同行者との旅は、ちょっと険悪な幕開けでした。
●第三十八番札所 蹉跎山 金剛福寺(さださん こんごうふくじ)●
亀(産卵中)
『さださん』の『だ』の字、出るかな。『蛇』の虫へんが足へんになっている字ね。
海沿いの快走路ではなく山道スカイラインのほうを走ってしまった我々。時期が時期なら、両脇に椿の花が咲き乱れる、美しい道を走ることができたであろう。しかし今は5月。ぼってりふてぶてしい葉っぱが茂るばかりで何もありません。
運転テクニックを鍛えられながら、ついに到着。
遍路旅の折り返し地点・足摺岬でございます。
道は若干狭く、駐車場は寺と岬と両方を兼ねているようです。どん詰まりとも思われるここは、平日であるにもかかわらず、そこそこ混雑しております。周りには数件の食べ物屋・土産物屋、記念館やら展示室やら、そういったものが並んでいます。いろいろ興味を惹かれましたので、後で覗くことにしましょう。
寺は、整備されたものです。石段を登ると出迎えてくれるのは亀。
亀は何か由来があるのでしょうか、入り口にでかでかと亀、手洗いにも亀。あっちこっちに亀。
調べたところによると、弘法大師が沖の不動岩に渡ろうしたら亀が現れて乗せていってくれたとか。七不思議のひとつだそうです。
浦島太郎といい、亀って霊的に何か重要な意味があるんでしょうか。確か甲骨文字だって亀の甲羅だったはずだし、占いにもなかったっけ。そのへんは詳しい人に任せときます。
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あと、どなたか手水場で薬を忘れてました。
心当たりある方いらっしゃいますか。 |
●足摺岬●
展望台から見下ろしてみた。
いきなり不謹慎な話からはじめますとね、足摺岬はアレの名所のひとつとも言われております。
名所と言われるところはどんなところか、いろいろ説がありますが。やはり大きいのは、『人智では作りえない荘厳さ・壮大さ』というものがあるのでしょう。「全くその気は無くても、思わず吸い込まれそうになる」と誰かが昔テレビで発言していたのを思い出します(東尋坊を指したものだったかもしれんが)。
言ってしまえば、弘法大師はここで岬の尖頭から海を見下ろして、「ついに到達した」ってすべてを悟って旅を終わらせても不思議じゃなかったんですよ、ここは。
そんな雄大な風景が目の前に広がっております。
我々もついに辿り着きました、最大の難関と思われていた足摺岬へと。
重ねて言っておきますが、この場所を貶めるつもりは無いのですよ。じゃあ初めから書くなと言われれば反論は出来ないのですが。
というわけで展望台へ上ってみます。
目の前に広がる水平線、そびえる山と急勾配の稜線。どこまでも落ちていきそうな谷間。
「うひゃあ」です。感想は一言、「うひゃあ」です。
もっと文学的な感嘆詞は無いのか。
「お約束」のシャウト。
展望台にはジョン万次郎の銅像も立ち、人がわらわら集まり、写真を取り合っています。我々も、そばにいたおっちゃんに、頼んでいないのに「シャッター押そうか?」と声をかけられました。わしらも見知らぬカップルを撮影いたしました。
あっちこっちで撮影大会が開かれておりますが。
しかしわしらの視線は、別のところを向いております。
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展望台から、湾曲した崖を挟んで向こうに見える『天狗の鼻』!
人の気配は全くありませんが、行ってみようじゃありませんか。
鼻までは約20分ほど、とありますが、そんなにかかりません。10分ぐらいで着きます。
しかしその道のりは遠く険しい。極端に坂を上ったり崩れそうな足場があったりするような歩き難さはないのですが、腰をかがめながらじゃないと進めない。左右に木が茂ってるし。誰もいないし。
ロマンチックに言えば、森のトンネルを二人きり☆
森のトンネル。
↑脇道に入ってるわけではなく、これが正しいルート。
なんだかんだで到着。
先ほどの赤丸地点に、我々は立っています。さすがに到達点のあずま屋周りは整備がされており、水道も(綺麗かどうかは不明)あります。ここに座って海を見ながらピクニックなどをしても楽しいでしょう。しかしきっと、反対側の展望台から丸見えです。
こちらから眺める海も、当然先ほどとは違う景色があります。鼻は、展望台よりも低い位置になるので、海は見づらいですが、切り立った崖と吸い込まれそうな谷が壮観です。
時間に余裕があり、足に自信があるなら、こちらもぜひどうぞ。
もっとも、一番見ていて触れて楽しいのは、ここへ着くまでの森のトンネル(笑)ですが。
さて、次の札所へ行く前に、腹ごしらえをしましょうか。
ありがたいことに、ここは観光地、いくつか飲食店が並んでいます。
そんな中で、我々がチョイスしたのは。
味自慢の讃岐うどん。
高知県に来てまで!
いやまあ、うどん以外にもメニューはあるんですけどね。選択したメニューは、わたくしは力うどん。同行者はカツ丼。こういうとき、うどんはファストフードとして大変便利。値段そこそこで昼ごはんとしての腹を満たすことが出来る。
余談であるが、この日からしばらく後、別の知人を連れて遍路をスタートした。以前はおべんとうを持って行ったポイントに手ぶらで行ったら昼ごはんに悩む。一番入りやすく、手早く済ませるのにしっくり来たのがうどん屋。別に讃岐うどんブランドでなくていいから、観光地の近所には数件うどん屋があると助かるなあ、と思った出来事。
時間帯が時間帯だったので、相席になる。同じテーブルでは、遍路姿のおっちゃんが一人。しばらくすると別のテーブルが空いたので、わしらはそっちに移る。と、さっきの席に違うおっちゃんが座った。おっちゃん、先の遍路さんに「巡礼中ですか、大変ですねえ」と声をかけ、二人が和気藹々としゃべくりだした。
ふと気がつけば、店内が遍路さんだらけ!
すっごい場違い。
わしらも遍路巡礼中なんですけどね。
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