えぐちず 2

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●第二三番札所 医王山 薬王寺(いおうざん やくおうじ)●

厄よけ薬王寺
中は広い。

 医王山薬王寺。今始めて気付いたが、なんて病気に効きそうな名前だ。
 平等寺から薬王寺へ。どのルートを行けばいいでしょう。元来た道を戻りなさい。はい。
 ちょっぴり迷ったりもしたけれど、それも可愛い失敗。さきほどの新野駅踏切をすぎ、狭い新野交差点の信号で右に。これで県道24号線にのり、また国道55号と繋がります。
 あとはひたすらこの道をまっすぐです。薬王寺は55号線沿いにあります。
 ですが、大きな心配事が。
 手元の地図(昭文社・スーパーマップル7『四国道路地図』)をみます。
 『大きくアップダウン』。
 どんな道ですか、これから通る道は!
 ドキドキしながら走ります。少々山に入っていきます。交通量は少ないが、カーブが多いのでそんなにスピードは出せません。

 『大きくアップダウン』。

 山道が続きます。脇道がありません。皆、ひたすらに前を見て走ります。

 『大きくアップダウン』。

 どこでしょう。大きくアップダウン。どんな道なのでしょう。どんな難所が、我々を待ちかまえているのでしょうか。

 『大きくアップダウン』。

 ‥‥まさか、今走っている、このヌルい道が『大きくアップダウン』とでも言いたいのか昭文社。
 どこが『大きくアップダウン』だ。普通の道だ。来る途中の、池田の雪道の方がよっぽど怖かったわ。
 というわけで、地図に怯えることなく、普通に走って下さい。道幅も広く中央線もちゃんとある、緩やかな傾斜とカーブの、普通の国道です。
 脅かしやがって昭文社。

 ハイキングコースのような山道を抜けると、すぐに街にでます。そして薬王寺、まもなく見つかります。進行方向に向かって右。
 駐車場に若干悩みます。信号を右折し、寺の周りの堀に沿った道に突っ込むように入ります。左に、土産物屋のような建物があります。
 その建物の中をくぐると駐車場。かなり広い。本当にこの寺の駐車場なのかと迷うほど広い。
 入っていいものかどうか悩んだが、誰にも怒られなかったのでよし。
 入って気が付いたが、信号を右折せずにまっすぐ行ったら駐車場正面出入り口が道沿いにあった。あんな建物の中を潜る入り方しなくてもよかった。

 さて、薬王寺ですが。広いですでかいです。観光城のようです。街中の寺らしく、人工的な通路です。
 通路に沿って行くと、石段が。またも厄よけです、男坂と女坂。いちおう、厄よけで有名な寺だ。だからあの広い駐車場も納得。観光客が多いんだな、ここ。 
階段  あのー。手すりのところに、1円玉が置かれてあるんですが。なんでしょう、これ。
 なんでしょうも何も、これが厄よけ祈願なんですが。でも、江口にとっては初めての光景です。江口も小さい頃、近所の人に頼まれて厄よけに一緒に行ったことありますが、その時と形式が違います。
 で、薬王寺の一円置き。後にママンに話を聞いたところ、階段を降りる際、自分の歳の数だけ一円玉を置いていくそうな。なるほど、頂上の納経所でおまもりを売っている、その隣に『1円玉両替』として50枚束が並んでいたのも納得。しかし今、週刊遍路を確認したら、「階段の両脇に一円ずつ置いていく」とあった。正しい作法はどれだ。と思って調べたところ、薬王寺のホームページを発見(http://www1.ocn.ne.jp/~yakuouji/index.html)。入ると経がバックに流れ、深夜に見ている江口の心臓にショックを与えてくれました。そしてここでも正式な作法は載っておらず。どうすればいい。結局分からず。まあ、来年に江口が厄落としに行こうという話が出ているので、その時におじゅっさんに聞けばよい。行かないだろうけどな。
  頂上の本堂。だだっぴろい。誰もいない。お守り売り場(納経所ではない)にぽつんとおじゅっさんの姿が。なぞの中華色仏像も。アレは何だ。ジョニー・デップが中国に詳しいので聞いてみたが、「何でも知ってると思うな」と拒絶されたので未だ分からず。
 本堂の後ろにまだ通路が続き、先に何かあったようなのだが、あいにく工事中。いけないことはないのだろうが、工事の邪魔をしても悪いので諦めることに。

 そして納経を済ませ、ついに徳島県の全霊場を巡り終えましたー!
 次は来年、暖かくなって、いよいよ高知県に入りますー!

 

 ●帰路●

すだちサンタ
12月だからな。

 本日の目標を全て終えて、時間はまだ3時前。
 このまままっすぐ帰ってもいいが、せっかく時間が余っているのだから、どこかに寄って帰ってもいいのではないか?
 薬王寺の入り口には、ご丁寧に観光マップがありました。しばし考える。

 ウミガメの産卵で有名な大浜海岸が近くです。
 海岸まで出て、そこから海沿いの道を通って帰るルートを選択しました。
 ちなみに大浜海岸、『恋人岬』なるローマンチックな場所もあります。せっかく同行者が年頃の若い男なのでここはひとつ、そこも行ってみようと誘うと、「心中しに?」と聞き返された。おまえの中で恋人と海のイメージはそれか。過去に何かあったのか。
 ともあれ、大浜海岸を目指します。薬王寺の正面が、桜町商店街。そこを突っ切れば目的地へ続く道に繋がります。

 駐車場を、本来の出入り口から出る。
 ふと右を見ると、『←大浜海岸』の標識。あっちからでもいけるじゃん。こんな狭い商店街に車走らせなくてもいいじゃん。近所迷惑を振りまきながら、我らは進みます。
 標識に従って走る。10分もしないうちに到着。おお、目の前に海が。
 そして左手にウミガメが。

 うみがめ博物館カレッタ!

 やっぱり月曜休館!!

 でも、せっかくの大浜海岸、防波堤脇に車を止めて、しばし歩くことにしました。
 うみがめ博物館は休みですが、外にプールがあり、そこでウミガメは泳いでいます。

うみがめ
寄ってくるウミガメ(大量)

 近寄ると寄ってきます。どうも、とても人慣れしているようです。
 でもエサをやってはいけません。あと、手を出してもいけません。噛まれます。しかし、これだけ寄ってくるということは、エサをやっている人がいるんだろうな。そして手を噛まれたりしているんだろうな。

 まあウミガメ、芸をするでもなく。
 カメに飽きたので海岸に下りることにします。

 しかし、我々はここで思わぬ伏兵に足止めを喰らう羽目になったのです。

 

 

 あ。

ねこにゃー

 ねこにゃーーーーーー!!!!!

 ねこにゃーが!!!

 ノラなのか、それとも博物館となりのうみがめ荘でみんなが飼っている猫なのか。
 トラと、クロが擦り寄ってきやがったよこんこんちきーーー!!
 実は江口達の前に、中年男性も攻撃に遭っていて足止めを喰らっていた。
 江口も撃沈。

 またこの猫たちが、人を疑うことを知らないのか、手にエサを持っているわけでもないのにずと付いてくるんだ。
 最初にいたのが、うみがめ荘の脇。そこから海岸に下りてからもずっと付いてくる。目の前に海があるのに、いつまでも付いてきては人の足に擦り寄ってくる。
 ああもう、ねこにゃー。
 念のために言っておきますが、江口は30歳です(デップは29歳)。

 そのまま我々二人、猫とたわむれながら、時に猫を波にさらわせたりして、楽しい時を過ごしました。
 帰ってからもデップはずっと猫のことを話題にしておりました。もっと札所の話もしてくれ。

 と、最後はねこにゃーに全てを持って行かれて2005年遍路旅は終了です。
 このあと同じ道を辿って帰り、国道55号→192号と、いつものルートで戻りました。帰りは高速使いません、貧乏だから。
 次は来年の春にお会いしましょう。

ジョニー・デップと海

おまけ。大浜海岸。

 瀬戸内海のヌルい海しか知らない江口に、この海は恐怖でした。ここはもう太平洋と言っていいのでしょうか?
 とにかく波が高い。高いったって、波乗り出来るような規模では全然ないのだが。
 見慣れた波の高さではない。ので、油断していると呑まれてしまいそうで、本気で怖かった。てゆうか江口はもともと海が怖い。油断すると死ぬから。
 まあそれはさっぴいても、綺麗な海でした。そりゃウミガメも心おきなく産卵するでしょうよ。
 で、恋人岬はどこだったんでしょうか。

 

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